福祉・介護系ビジネスマッチング事例まとめ|専門人材と施設をつなぐ仲介

業種・カテゴリ別 ビジネスマッチング事例まとめ

介護の有効求人倍率(求人数を求職者数で割った値)は2025年5月時点で3.41倍。全産業平均の約3倍です。資格者が少なく、施設は採用コストに悩み、人手不足が慢性化している状態です。この三重苦があるからこそ、人材と施設をつなぐ仲介サービスが存在感を持っています。

この記事では以下の3点を整理します。

  • 福祉・介護でよく使われる代表的なマッチングサービス4社の違い
  • 「単発で働くスポットワーク型」と「採用を仲介する人材紹介型」の仕組みの差
  • 個人事業主や小チームが、福祉・介護系のマッチングを自分で運営するときに知っておきたい許可のこと

福祉・介護系の代表的なマッチングサービス

ここで紹介する4社は、大きく2つのタイプに分かれます。施設とワーカーが直接やり取りして単発で働く「スポットワーク型」(カイテク・クーラ)と、アドバイザーが間に入って就職・転職を仲介する「求人・紹介型」(ウェルミージョブ・レバウェル介護)です。この区別を頭に入れておくと、各サービスの立ち位置がすっきり見えてきます。

サービスタイプ主な対象運営会社
カイテクスポットワーク型介護・看護・保育・薬剤師の単発カイテク株式会社
クーラ(CURA)スポットワーク・お試し型看護師中心株式会社フォニム
ウェルミージョブ求人サイト+紹介介護・医療・福祉・保育株式会社エス・エム・エス
レバウェル介護人材紹介・派遣介護職レバウェル株式会社

カイテク(旧カイスケ)

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出典:カイテク公式サイト(https://caitech.co.jp/)

カイテクは、介護や看護の「1日・数時間」という単発の仕事を、アプリで施設とワーカーが直接マッチングするサービスです。旧名は「カイスケ」で、2023年2月に「カイテク」へ名称が変わりました。

最大の特徴は、施設とワーカーが直接雇用契約を結ぶ点にあります。登録会や面接なしで単発勤務に入れて、給与は最短即日で受け取れます。施設側はワーカーへの報酬に加えてサービス利用料を負担する形で、採用が決まったときにまとめて支払う人材紹介とは構造が違います。

規模も着実に伸びていて、創業から約5年で導入事業所は約9,000カ所(2025年3月時点の報道)まで広がりました。デロイト トーマツの「テクノロジー Fast 50 2025 Japan」では成長率1,616.3%で1位になっています。運営はカイテク株式会社(東京都港区)です。

クーラ(CURA)

クーラ(CURA)のトップページ

出典:クーラ(CURA)公式サイト(https://cu-ra.net/)

クーラ(CURA)は、看護師を中心とした「お試し勤務」が持ち味のサービスです。単発で報酬を得ながら職場を実際に試せるため、「お試し転職」とも呼べる使い方ができます。

午前だけ・午後だけといった短時間勤務も選べますし、まず1回だけ働いてみて、気に入れば週1回からの継続を相談することもできます。「働きながら職場を見極めたい」という人には向いている仕組みです。サービス開始から1年でクーラ経由で活躍した看護師が12,000人を突破し、看護師の登録人数で日本最大をうたっています。

運営は株式会社フォニム(東京都新宿区、東大発のITスタートアップ)で、2023年からクーラを提供しています。2026年には十六銀行と地域医療の課題解決で連携したとの報道もあり、地域へ広がりつつあります。

ウェルミージョブ(旧カイゴジョブ)

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出典:ウェルミージョブ公式サイト(https://www.kaigojob.com/)

ウェルミージョブ(旧カイゴジョブ)は、2004年開始の老舗求人サイト「カイゴジョブ」がルーツです。2025年7月に「ウェルミージョブ」へリブランドし、介護に加えて医療・障害福祉・保育まで対象を広げました。なお公式サイトのドメインは、リブランド後も kaigojob.com のまま運用されています。

このサービスは、求人サイトでの掲載と、キャリアアドバイザーが仲介する人材紹介(「カイゴジョブエージェント」)の両輪で動いています。自分から求人を探すことも、アドバイザーに相談しながら進めることもできます。累計会員数は140万人超、保有求人は24万件以上(2025年7月のリブランド時点)と業界最大級の規模です。

運営は東証プライム上場の株式会社エス・エム・エスで、厚生労働省委託の「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者認定制度」で第1回の認定を受けた事業者でもあります。

レバウェル介護(旧きらケア)

レバウェル介護のトップページ

出典:レバウェル介護公式サイト(https://job.kiracare.jp/)

レバウェル介護(旧きらケア)は、キャリアアドバイザーが施設を紹介してくれる人材紹介・派遣型のサービスです。「きらケア」から2023年5月に「レバウェル介護」へ名称が変わり、運営会社も2025年4月に「レバウェル株式会社」へ社名が変わりました。

アドバイザーが間に入り、希望を聞きながら施設を紹介してくれる伴走型なので、自分で求人を探すのが苦手な人でも進めやすいです。求人数は業界トップクラスで、公開求人だけで16万件以上(2025年6月時点)、年間約80万人が利用しています。求職者の利用は無料です。

ただ、地域によって求人数の差が大きく、地方では選択肢が手薄になることもあります。連絡の頻度などに関する口コミも見られるので、自分のペースに合うかを確かめながら使うと安心です。

これらに共通する成立条件

4社に共通しているのは、「資格者の希少性 × 施設のコスト制約 × 慢性的な人手不足」という構図です。

人手不足は深刻で、厚生労働省の推計では2025年度に約32万人、2040年度には約69万人の介護職員が不足する見通しです。求人が求職者を大きく上回るため、施設は「待つ」だけでは人を採れず、仲介を介した能動的な接点づくりが欠かせない状況です。

採用コストも重くのしかかります。人材紹介の手数料は想定年収の20〜30%が相場で、人手不足の影響で上振れする傾向もあります。この負担の重さが、単発・お試し型のような低コストな代替手段への需要を生んでいます。

個人が入り込める余地

個人事業主や小チームが独自のマッチングを立ち上げる余地は残っています。大手が手薄な領域に、ニッチを取れる可能性があります。

たとえば、地域密着の小規模施設と有資格者をつなぐ橋渡し、看護やリハビリ職など特定の資格に絞った紹介、施設の採用広報や求人情報の整備を手伝う支援などです。大都市圏の有効求人倍率が5.91倍に対し、地方県は1.82〜2.35倍と需給バランスが地域で大きく違うため、地方やニッチ領域にこそ入り込みやすい場所があります。

ひとつ正確に押さえておきたいのが、許可の話です。求職者と求人者をつないで採用が成立したら報酬を得る「職業紹介」を有料で事業として行うには、職業安定法に基づく厚生労働大臣の許可(有料職業紹介事業許可)が必要です。事業所ごとに取得が必要で、主な要件は純資産500万円以上などの財産的基礎、職業紹介責任者の選任、事務所の要件などです(2025年時点)。許可を取った後も、定期的な報告や更新の手続きがあります。

ただ、最初から身構える必要はありません。まずは許可がいらない関わり方から始めるのが現実的です。カイテクのようなスポットワーク型は施設とワーカーの直接雇用を仲介する仕組みで、人材「紹介」とは法的な位置づけが違います。施設の採用広報を支援するといった形なら、許可なしで踏み出せます。個人的には、まずこのあたりで業界の感触をつかんでから、本格参入を検討するのが無難だと思います。

まとめ

福祉・介護のマッチングは、資格者の希少性・施設のコスト制約・人手不足という三重苦を背景に成り立っています。サービスは大きく、施設とワーカーが直接つながる「スポットワーク型」(カイテク・クーラ)と、アドバイザーが仲介する「求人・紹介型」(ウェルミージョブ・レバウェル介護)に分かれます。個人が関わるなら地域やニッチに余地がある一方、紹介を事業化するには有料職業紹介の許可が必要になります。

自分で福祉・介護系のマッチングを立ち上げる場合、スポットワーク型(カイテク・クーラ)と求人・紹介型(ウェルミージョブ・レバウェル介護)のどちらを参考モデルにするかで、必要な許認可と収益の仕組みが変わります。まず「誰と誰をつなぐ場を作るか」を一行で書き出してみてください。

業種を絞ったマッチングの仕組みづくりに興味があれば、自分で運用できるMatchLayerも覗いてみてください。ほかの業種別のマッチング事例まとめ記事も、あわせて参考になるはずです。

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