WordPressでハンドメイド作品のゆずり合いマッチングサイトを作る方法|地域フリマ・出品と希望をマッチング
ハンドメイド作品の置き場所に困っている人と、そうした一点モノを探している人は、実は身近な地域にたくさんいます。フリマアプリは全国規模で便利な反面、地域の顔が見えにくく、「作った経緯や素材にこだわりがあるモノ」の魅力が埋もれがちです。
今回は、WordPressでハンドメイド作品を地域内でゆずり合うサイトを作る方法を、MatchLayerというプラグインで実際に「CraftMart」というデモサイトを構築しながら追っていきます。管理画面を実際に操作したスクリーンショット付きなので、どこをどう設定すればいいかがそのまま分かる内容です。
読み終えると、次のことが分かります。
- ハンドメイド作品のゆずり合いサイトに必要な機能
- WordPressでこの仕組みを作るための選択肢と、それぞれの向き不向き
- MatchLayerでCraftMartを構築する具体的な手順(管理画面スクリーンショット付き)
ハンドメイド作品マッチングサイトに必要な機能
ハンドメイド作品のゆずり合いサイトは、一般的な通販サイトとは求められる機能が違います。整理すると次の5つが軸になります。
| 機能カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 出品も希望も同じアカウントでできる仕組み | 「今回は譲る側」「次は欲しい側」を同じユーザーが行き来できる登録形態 |
| 地域で探せる検索 | 都道府県などのエリア情報で絞り込める仕組み |
| 作品特有の情報を載せられる柔軟なフォーム | 素材・サイズなど、既定の項目にない情報を追加できる仕組み |
| レビュー | 実際にやり取りした相手の評価が見える仕組み |
| メッセージ機能 | 受け渡し方法や希望条件を直接相談できる仕組み |
一般的な通販・フリマ系プラグインは「出品者(売る人)」と「購入者(買う人)」を分けて設計されていることが多く、決済機能とセットになっています。一方ハンドメイド作品のゆずり合いでは、同じ人が「今回は手放したい」と「今回は欲しい」を両方経験する場面がよくあります。ロールを固定しない登録の仕組みが必要になる点が、通常の通販サイトづくりとの大きな違いです。
決済機能は、今回はあえて要件に含めません。代金(無償の場合も含む)や受け渡し方法は、メッセージ機能を使って当事者間で相談してもらう設計にします。
WordPressで実現する方法(選択肢を比較)
WordPressでこの仕組みを作る場合、方向性は大きく3つに分かれます。
ECプラグイン(WooCommerceなど)
WooCommerceのようなECプラグインは、決済・在庫・配送設定が最初から組み込まれています。裏を返すと、決済を使わない前提のゆずり合いサイトには機能が過剰です。手数料設定やカート機能など使わない項目が多く残り、運用がかえって複雑になりがちです。
汎用の投稿・掲示板プラグイン
カスタム投稿タイプやbbPressのような掲示板プラグインを組み合わせて自作する方法もあります。自由度は高い一方、カテゴリ検索・地域絞り込み・メッセージ機能・レビュー機能をひとつずつ実装(または別プラグインで補完)する必要があり、開発の手間がかかります。
マッチング特化プラグイン(MatchLayerなど)
出品・検索・メッセージ・レビューといった、ゆずり合いサイトに必要な機能が最初からひとまとまりになっているプラグインです。今回はこのタイプに該当するMatchLayerを使い、CraftMartというデモサイトを実際に構築しながら手順を見ていきます。
MatchLayerでCraftMartを構築する手順
以降の画面キャプチャは2026年7月時点のMatchLayer管理画面です。UIは今後のアップデートで変わる可能性があります。
サイトジャンルで「モノのマッチング」を選ぶ
MatchLayerを有効化すると、まず「サイトジャンル設定」画面でサイトの用途を選びます。今回は「モノのマッチング」を選択しました。画面の説明にもある通り、このジャンルは「無償譲渡・お譲り・シェア向け」と位置づけられていて、売買サイトではなくゆずり合いの仕組みが前提になっていることが分かります。

ジャンルを選ぶと、リスティング(掲載)呼称・カレンダー機能・都道府県機能・レビュー機能・重複申込み制御といった項目が、このジャンルに合った初期値へ一括で設定されます。「モノのマッチング」の場合は、リスティング呼称が「譲渡品」、カレンダー機能はOFF、都道府県機能はON、レビュー機能はON。これらの初期値は、あとから個別に変更できます。
単一ユーザーモードで出品と希望を同じアカウントに
次に、一般設定の「サイト全体」タブを開きます。ここで変更するのは2箇所です。
1つ目はリスティング呼称。初期値の「譲渡品」から、CraftMartでは「作品」に変更しました。ハンドメイド作品を掲載するサイトなので、こちらの呼び方の方が利用者にとって自然です。
2つ目はユーザーモード。初期値は、提供者(譲る人)と利用者(欲しい人)を別々のロールとして登録する形式になっています。CraftMartではここを「単一ユーザーモード(両方)」に切り替えました。登録フォームの「登録タイプ」選択欄が表示されなくなり、登録した時点で全員が「作品を出品する」「作品を希望する」の両方を使える状態になります。

カテゴリにハンドメイド向けの項目を追加
「カテゴリ設定」画面では、ジャンル選択時に自動作成された既定カテゴリ(家具・家電・衣類・本・メディア・おもちゃ・ホビー・その他)に加えて、「アクセサリー」「陶芸・クラフト」を追加しました。カテゴリはドラッグで並び替えもできます。

登録フォームに「素材」「サイズ」を追加
「登録フォーム設定」では、リスティング(作品)用・ユーザープロフィール用・ユーザー登録用の3区分でカスタムフィールドを追加できます。CraftMartでは作品用に「素材」(検索対象にも設定)と「サイズ」を追加しました。フィールドの種類はテキスト・テキストエリア・セレクトボックス・ラジオボタン・チェックボックス・数値から選べ、適用ロール(提供者のみ・利用者のみ・両方)や必須指定もできます。

トップページのブランドカラーとヒーロー画像を設定する
「トップページ設定」画面では、サイト全体のアクセントカラー(ボタンや強調表示に使われる色)と、トップページ最上部の大きなビジュアルエリア(ヒーローセクション)の背景画像を設定できます。CraftMartではブランドカラーを#5293FFに、ヒーロー画像はハンドメイドのフェルトボールのイメージを設定しました。
キャッチコピー・サブコピー・ボタンのテキストとリンク先、仕組み説明の3ステップ、統計セクションのラベルなども同じ画面でまとめて編集でき、セクションごとの表示/非表示や並び順もドラッグで変更できます。

作品を登録する
設定が一通り終わったら、実際に作品を登録してみます。フロントの「作品を掲載する」から登録フォームを開くと、タイトル・説明・カテゴリ・都道府県に加えて、さきほど追加した「素材」「サイズ」のカスタムフィールドが並んでいるのが分かります。
フォーム下部の「画像ギャラリー」では、メディアライブラリの画像を選んで最大5枚まで添付できます。最初に選んだ画像が一覧カードと詳細ページのメイン画像として使われる仕組みです。

完成したフロント画面を確認する
ここまでの設定を終えたフロントページです。サイト名とキャッチコピー(「使わないモノに、次の出番を。」)がヘッダーに表示されています。

作品一覧では、キーワード・カテゴリ・都道府県に加えて、追加した「素材」でも絞り込めます。

作品の詳細ページでは、素材・サイズの情報と登録した画像がタイトルや本文と並んで表示されます。

会員登録フォームは、単一ユーザーモードの設定通り「登録タイプ」の選択欄が出ません。登録すればそのまま出品も希望もできる状態です。

よくある質問
決済や配送はどう扱えばいいですか?
MatchLayerに決済機能はありません。代金(無償の場合も含む)や受け渡し方法は、マッチング後のメッセージ機能で当事者間が直接相談する運用になります。手渡しでの受け渡しを前提にする、送料着払いにするなど、運営方針として利用者に事前に案内しておくとトラブルを防ぎやすくなります。
出品用アカウントと希望用アカウントを分けたい場合は?
単一ユーザーモードをオフにして「分離」に戻せば、提供者・利用者を別ロールとして登録する従来の形式に戻せます。地域の顔なじみ同士で気軽にやり取りする小規模なコミュニティなら単一ユーザーモード、出品する人と探す人をはっきり分けたいなら分離モード、と運営方針に応じて選べます。
個人運営でも、怪しい出品や希望を防ぐために審査制にできますか?
一般設定の「入口(公開・登録)」タブで、提供者・利用者それぞれの承認モードを「管理者承認が必要」に切り替えられます。承認制にすると新規登録のたびに管理者の確認が挟まるので、個人運営でも最低限の目視チェックを入れられます。
まとめ
ハンドメイド作品のゆずり合いサイトを作るとき、通販・フリマ系のプラグインをそのまま使うと、使わない決済機能がむしろ足かせになります。出品と希望を同じアカウントで行き来できるようにし、決済を持たない前提で設計する方が、地域の顔が見えるゆずり合いの場には合っています。
MatchLayerの「モノのマッチング」ジャンルは、この前提とはじめから相性がよいジャンルです。リスティング呼称の変更、単一ユーザーモードへの切り替え、ブランドカラーやヒーロー画像の設定、カテゴリやカスタムフィールドの追加、そして実際の作品登録。ここまでの作業はすべて管理画面とフロントの登録フォームだけで完結し、CraftMartのようなサイトは形になります。